Amazonは1つの商品に対して複数のショップが販売する、カタログ形式での販売になっています。数あるショップの中で優先して商品が販売される、という意味で「カートを獲得する」という言葉が使われています。
今回は、カートボックスの仕組みや、獲得条件などを紹介します。販売を始めたばかりの新規出品者ならではの条件や獲得方法も解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。カートの獲得は売上に直結するため、しっかりとポイントを抑えて売上をアップさせていきましょう。
カート獲得とは?
カート獲得とは「自店舗が出品している商品を、商品ページの最初に表示させること」です。
Amazonは1つの商品ごとに1ページ表示されるカタログ型と呼ばれるECサイトで、商品がさまざまな複数の店舗から出品されている場合、商品ページの最初に表示されるのは優先された1店舗のみです。
あるワードをGoogle検索した時に、最初にわざわざ1ページ目の5つ目、2ページ目の3つ目のサイトを確認するという方はあまりいませんよね。
それと同じように、多くのユーザーはカートを獲得している店舗から購入するので、カートを獲得していない店舗の商品が閲覧されることはほとんどありません。「こちらからもご購入いただけます」というボタンをわざわざクリックして購入する方はかなり稀です。
このようにAmazon商品ページ右側に小さく表示されていますが、販売側になる前に見たことがある人はほとんどいないのではないでしょうか?
ちなみに、楽天やYahoo!ショッピングは、店舗ごとに1つのページが表示されるモール型と呼ばれるECサイトなので、カート獲得はAmazon特有の仕組みです。膨大な商品ページの作成をしなくてもいい代わりに、さまざまな条件が求められる形式というわけですね。
自分のショップがどのくらいカートを獲得しているかは、セラーセントラルから確認できます。
最初の画面では商品全体のカート獲得率が表示されており、日々パーセンテージが変わっています。
0%になっていると、ほとんど売上が上がりません!
さらに細かく、商品ごとにカート獲得率を確認したい場合は
メニューから レポート→ビジネスレポート→子商品別の詳細ページ売上・トラフィック の画面から確認できます。右側に画面をスクロールするとおすすめ商品(カーボックス)の割合が表示されていますよ。
ビジネスレポートのページは仕入れ判断にも活用できるので、チェックするといいですよ!
カート獲得すると、Amazonスポンサープロダクト広告が利用できます。Amazonで販売している商品のクリック課金制広告で、類似商品を検索したユーザーにPRとして表示されるので、目に入る確率が大きくアップし購入される確率も上がります。
最初の10,000円分の広告料がサービスされるといった新規出品者向けプログラムも用意されているので、商品販売のブースターとして活用したいところです。しかし、カート獲得していない期間は表示されないので、やはりカート獲得が重要になってきます。
カート獲得の要素
カートの獲得が商品の売上に直結するとても重要な要素だと理解できましたね。ここからは、どのようにAmazonのカートを獲得するかの条件を確認していきましょう。
ただし、Amazonはカート獲得の条件を明言していません。そしてカート獲得表示のアルゴリズムは日々変更されています。
何が最も重要な要素かはその時々で変わっているかもしれませんが、Amazonはいい商品をユーザーに購入してもらうために条件を設定しています。この部分は外せない!という必須条件を紹介していきますので、クリアして売上アップに繋げていきましょう。
①大口出品者であること
Amazonセラーには大口出品と小口出品があります。カートの獲得では大口出品者が優先されます。その上、小口出品者はカタログ上にある商品しか出品することができないため、継続的な販売はほぼ不可能です。
小口出品者は月額費用が無料ですが、売上が全く上がらなければ利益も出ないので、物販ビジネスを行う方は必ず大口出品を選びましょう。
大口出品:4,900円/月+販売手数料(商品により異なる)
小口出品:100円/商品+販売手数料(商品により異なる)
②最低価格または最低価格に近い価格であること
まず、何よりも他の店舗よりも安い価格で販売しなければカート獲得はできません。最安値、または最安値に近い価格で販売することは必須です。
ポイントを付与すれば、その分を引いた価格で計算されますので、定価販売の場合はポイントもうまく利用していきましょう。
ちなみに、Amazon以外で出品している商品価格も対象になるといわれています。楽天市場やYahoo!ショッピング、自社ECサイトでの価格設定よりも大幅に高い価格で販売していても、「おすすめできる商品はありません」と表示されてしまい、どのショップもカートが獲得できず商品自体の表示が難しくなってしまう場合があります。
あまりにも利益が出る商品だった場合にはECサイト全体の商品の価格も確認し、仕入れ後の価格競争に巻き込まれないように気をつけましょう。
③FBAで出品していること
FBA配送のショップは、同じ価格で販売している自己配送のショップよりも優先してカートが獲得できます。
FBAで販売すればAmazonにより手数料が入るからですね…!
そういうことにもなりますね…!ただFBAは悪いことばかりではありませんので、初心者は必ず使った方がいいですよ!
ただし、ごく稀にですがFBAよりも自己配送の方が注文から発送までが早くできる場合があります。Amazonは商品到着までのスピードを重視している傾向にあるので、スピード勝負できる方は検討する余地がありますよ。
④パフォーマンス指標が高いこと
パフォーマンス指標は、余剰在庫、FBA販売率、有効な出品情報がないFBA在庫、在庫ありの在庫の4つの数値から判断されます。簡単にまとめると、「常に売れる在庫をたくさんFBAに置いて、たくさん販売するとパフォーマンス指標を上げるよ」ということです。
しかし、物販を始めた初心者は安価に仕入れるルートも整っていませんし、どんな商品が売れるかのリサーチもベテランに劣ってしまいます。さらに、新規出品者は他の条件が理由でカートが回ってこない可能性もあるのでパフォーマンス指標を高いまま維持するのは至難の業です。
そっちがカートを新規出品者に回してくれないからFBA販売率が下がるし、怖いから在庫を置けないんじゃないか!と怒りたくなりますが、コツコツと販売数を積み上げていかなければなりません。
⑤顧客満足度&購入者からの評価が高いこと
Amazon出品を始めたばかりの方は「新規出品者」、1つでも評価がついている方は★で評価がついている部分です。
この評価が低いショップは同じ条件での出品でもカートが獲得できません。あまりにも評価が悪い場合は、ショップを作り直すといったことが必要になってきます。そうならないように、当たり前ですがカタログと同じ本物の商品を取り扱い、梱包などにも気を配りましょう。
また、④パフォーマンス指標が高いことの条件でお話しした「新規出品者は他の条件が理由でカートが回ってこない可能性もある」というのは、この顧客満足度のことです。レビューがもらえるようにたくさんの商品を販売しなければなりません。
⑥アカウントの健全性が保たれていること
注文不良率・キャンセル率・出荷遅延率の3つの要素で判断されます。注文不良率は顧客満足度を数値化したもので、出品者への評価に直結します。セラーセントラルのパフォーマンス→アカウント健全性で確認してみましょう。
新規出品者はカート取得が難しい?
新規出品者とは、商品購入者からのレビューが1件もついていないショップのことです。Amazonに登録した全員がこの新規出品者からスタートすることになります。
名言はされていませんが、販売をし始めたばかりの新規出品者やレビューが少ないショップは、価格やFBA配送など他の条件が同じでもカート取得率がかなり低くなる傾向にあります。
8年前に始めた時は、そんなアルゴリズムにはなっていなかったなぁ…
じゃあ新規で販売するにはハードルが高くなってしまったってことですか!?
あくまで経験上の話ですが、新規出品者のアカウントでは全く同じ条件でもカート取得が0%の商品が多くあります。Keepaやセラースケットで価格を確認しながら仕入れたのに、想定の価格で全く売れないとなると、売上を上げるのはかなり難しいですよね。
価格を利益が出るギリギリのところまで数百円下げたところで、他のショップも自動価格調整ツールなどでついて来ることが多いので、またカートが取られてしまいます。
そこで諦めてしまってはビジネスは続けられません。挫折をしてしまう人もたくさん見てきました。
根気強くリサーチすることで、ライバルが少なくカートが取れる商品が少しずつ見つかっていきます。失敗をしない人はいません。赤字になることもあるかもしれませんが、諦めずに利益が出る商品を探しましょう。
新規出品者がレビューをもらってカートを取得する方法3選
新規出品者は、シンプルに他の人よりも価格を下げるのがカート取得への最短手段です。ですがそうなると、
カートが取れないから価格を下げる
→たまに売れてもレビューが書かれない
→レビューがつかないのでまた価格を下げるしかない
→売れても赤字、定価販売ができない
→仕入れられる商品がどんどん狭まる
→取り扱い商品がなかなか増やせない
といった悪循環になってしまいます。
レビューは100件購入してもらって1件つくと言われています。経験的にもそのくらいの感じですね。
100個の商品を売って1つなんて…かなりキツいですね…
いつまでもレビューをもらわずに薄利の商品を扱ったり赤字になっても価格を下げたりしてライバルと戦っていくのでは、ビジネスを続けられません。ここからは物販ビジネス初心者が最短でレビューをGETする方法3つを紹介していきます。
①セラーセントラルの注文管理画面から、ショップレビューリクエストボタンを押す
まずは、Amazonが用意しているレビューリクエストメールを活用しましょう。販売してから5〜30日間だけ、Amazonからレビューのお願いを購入者に送信できる機能です。
セラーセントラル→注文→注文管理→注文詳細 に記載の注文番号をクリックします。そこから「レビューをリクエストする」でメッセージを送信しましょう。
これだけなので、とても簡単です。購入後に商品の感想やレビューのお願いをAmazonとして送付することになりますので、購入者には自然と受け入れられるでしょう。
購入後5〜30日の間に1度のみ送付が可能で、このメッセージを送ることでショップから独自のレビュー依頼のメッセージを送ることは禁止されます。
メールにはレビューを書くページのURLが添付されているので、購入者は簡単にレビューを書けます。やるとやらないのでは、レビューを書かれる可能性が大きく変わるので、まずこのレビューリクエストは必ず行いましょう。
②サンクスメールを送る
①はAmazonが作成したレビュー促進のメールが送付されますが、ショップ独自のメッセージを送りたいという方にはこちらがおすすめです。一度テンプレートを作成してしまえば簡単に送付できるので、しっかりメッセージを考えて送りたいという方はこの方法でもいいでしょう。
ショップ担当者の名前がわかり、購入のお礼が記載されたメールを受け取ったら、レビューを書こうかなという気持ちにもなりますよね。
ただし、購入者へ送信するサンクスメールには、以下の内容が禁止されています。
・良好な評価をするよう購入者を買収すること
・購入者の情報をオンラインおよびオフラインのマーケティングに使用すること
または購入者を自社または他のウェブサイトに誘導すること
いいレビューを書くようにお願いすることや、Amazon経由ではないECサイトに誘導することなどは御法度ということですね。もしこのような内容が送付されているとAmazonに判断された場合は、アカウント停止などの措置が取られることもありますので注意しましょう。
③友達にレビューを書いてもらう
一緒にビジネスをやっている方がいれば、その方と一緒に商品を購入しあいレビューを書いてもらうのもいいでしょう。
サクラレビューというのは、正直グレーゾーンですので、あまりたくさん行うのはおすすめできません。最初の1件目という気持ちで書いてもらいましょう。
本当に欲しい商品があればお願いしやすいですね。
ちなみに、自分で自分のショップの商品を買いレビューを記載した際には、アカウントが停止されてしまいますので絶対にやらないようにしましょう。
まとめ
今回は、Amazon特有のカートボックスの概要と、獲得条件について紹介しました。
- 大口出品者であること
- FBAで出品していること
- 最低価格または最低価格に近い価格であること
- パフォーマンス指標が高いこと
- アカウントの健全性が保たれていること
- 顧客満足度&購入者からの評価が高いこと
まずはこの6つのカートボックス獲得条件を満たした上で、新規出品者はレビューを得られるようにしていきましょう。★4以上のレビューがたまればたまるほど、Amazonからの評価も向上しカート取得率もアップしていきますよ!
新規出品者でもカートが取れる、ライバルショップの少ない商品をリサーチし、地道にレビュー依頼を送ることで少しずつショップの評価を上げていきましょう。
一緒に励ましあえる仲間も募集中です!
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