【2025年3月開始】Amazon FBA在庫クリアランスプログラムって?使う前に知っておきたいリアルな話

2025年3月1日より、Amazon FBA在庫クリアランスプログラムが導入されました。このプログラムは、売れ残りFBA在庫を安価で第三者業者に販売し、その一部を出品者に還元するサービスとして注目を集めています。

今回はこの新しいプログラムの概要、実際に使ってみた話など、Amazon FBA事業者が知っておくべき情報を詳しく解説します。

サクッと要点だけ知りたい人向け

2025年3月から始まった「売れ残りFBA在庫を安価で第三者業者に販売し、その一部を出品者に還元するサービス」です。

つまり何?

  • 売れない在庫を業者に買い取ってもらえる
  • 買取価格は商品価格の5~10%程度
  • 廃棄するよりはマシ程度のもの

使うべき?

MOKU
MOKU

正直、微妙です。他の販路で売れそうなら、そっちの方が全然いいと思います。

Amazon FBA在庫クリアランスプログラムの概要・仕組み

プログラムの概要

出品者が売却依頼を作成→Amazonが在庫買取業者を手配→在庫買取業者による買取→Amazonから出品者への支払いという流れです。

手順はこんな感じです。

  1. セラーセントラルから売却依頼を出す
  2. Amazonが30日以内に買い手を探す
  3. 買い手が見つかれば60日以内に手数料を差し引いた金額が振り込まれる

回収金額の算定方法と支払い日数

純回収金額は、Amazonでの平均FBA販売価格と、特定のASINの販売履歴を考慮して算定されます。

通常は商品価格の5~10%相当で、そこからAmazonの手数料を差し引いた金額が、依頼の送信から90日以内に出品者に支払われます。

販売価格に対して5~10%の代金で買い取ってもらうことが可能とされており、廃棄処分していたケースでは多少なりとも資金の回収が可能となります。

対象商品・対象外商品

対象になる商品

  • 余剰在庫
  • 返品された商品

対象外の商品

  • FBA禁止商品
  • 賞味/消費期限切れ商品
  • 夏季制限品
  • 危険物
  • 出品許可が必要なカテゴリーと商品
  • 医療機器
  • 冷蔵/冷凍商品
  • 酒類
あられ
あられ

対象外の商品も意外とたくさんありますね。

使い方

Amazonのセラーセントラルの「全在庫の管理」の画面で、プログラムを使用したい商品にチェックを入れましょう。

ページ下部の「グループアクションを選択」から「返送/所有権の放棄依頼の作成」を選択します。

そうすると上記のような選択ができるので、「在庫買い取り業者への売却」を選択してください。

メリット・デメリット

メリット

  • 依頼した時点で在庫保管手数料と長期在庫追加手数料は発生しなくなる
  • 手間をかけずに在庫を処分できる
  • 在庫の廃棄費用をかけずに済む

デメリット

  • 買取価格が低い
  • 買取価格が保証されない
  • 売却依頼後のキャンセルは不可
  • 支払いまでに時間がかかる場合がある(最大90日)

実際いくらもらえるの?

買取価格の目安は商品価格の5~10%程度です。ただし、これは「平均販売価格」を基準にしているので、Amazonでは金額を保証していません。

もし原価率50%の商品であれば、仕入れ原価の5分の1が返ってくる可能性があります。

例を出してみると、以下のような感じになります。

  • 販売価格:10000円
  • 仕入れ原価:5000円(原価率50%)
  • 回収金額:500円〜1000円(販売価格の5~10%)
  • 実質的な仕入れ原価回収率:10〜20%

手数料も結構かかる

  • 標準サイズの商品は50円、大型サイズの商品は160円の処理手数料
  • 総回収金額の11%の販売手数料

具体例で見ると、販売価格10000円の商品の場合は買取価格が500〜1000円、手数料を引くと400〜800円程度となります。

MOKU
MOKU

うーん、微妙ですよね。

本当に使うべき場面は?

買取価格が安いので、廃棄とあまり変わらない気もしますが、使ってもいい場面もあります。以下のような時は買い取りプログラムも検討してみましょう。

使った方がいい場合

  • 長期滞留在庫の処分(サイズが大きく保管料が高い商品で、売れる見込みがないもの)
  • 季節商品の整理(クリスマスグッズなど、次のシーズンまで売れないもの)
  • 低単価のもので捨ててもいいくらいのもの

使わない方がいい場合

  • メルカリ・ヤフオク・eBayなどで販売できるもの
  • 他の販路で高く売れる商品
  • 時間経過で希少価値が高まる可能性のある商品

実際の体験談から見えてきた真実

実際の使用例を見ると、滞留している中古ゲーム機(販売価格15000円、仕入価格9000円)の場合、実質回収額は884円で、損失は8116円という大赤字になっています。

一方で、こちらの商品をメルカリで再販すると1000円ほどの利益が出る計算になりました。

商品にもよりますが、メルカリなどのフリマサイトで売れそうなものは返送して、再販した方が資金回収できると思います。メルカリでも全く売れなさそうなものであれば、リサイクルショップに持って行ってもいいかもしれません。(リサイクルショップの利益率もとても低いですが、驚くようなものも売れるので一応・・・!)

つまり、このクリアランスプログラムは「廃棄するよりはマシ」ですが、他の販路に回す方が圧倒的に有利ということです。

結論:使うならこんな感じで

「廃棄するくらいなら」という商品や低単価で売れない商品なら試しに使ってみてもいいかなぁという程度の認識でいいでしょう。

必ずしも「お得」とは限らないので、以下のような順序で考えるのがおすすめです。

  1. まずは他の販路(メルカリ、ヤフオクなど)で売れないかチェック
  2. 値下げしても売れそうにない場合はしばし検討
  3. 最終手段として使う

個人的な感想

正直「革命的なサービス」ではないですね。廃棄手数料を払うよりは多少マシ程度のものです。

一番いいのは、売れない商品は仕入れない、ということなので、仕入れの段階でしっかり需要を見極めることが一番大切です。リサーチの力をつけましょう。

それでも売れ残ってしまった場合の「最後の手段」として覚えておく程度でいいと思います。

まとめ

Amazon FBA在庫クリアランスプログラムは、使い方次第では便利なツールですが、過度な期待は禁物です。

まずは他の販路での販売を検討し、それでもダメな場合の選択肢として活用するのがベストでしょう。基本的には「廃棄するよりはいい」程度に考えておくのが現実的です。

物販初心者にとっては、一つの商品でも廃棄やクリアランスプログラム使用となってしまうと、大きな痛手となってしまいます。しっかりとリサーチの目を養ってそうならないような商品を探していきましょう!

MOKU
MOKU

とは言っても私も何度も失敗した経験があります。失敗は成功の元です。しっかりとリサーチして、失敗してしまうのであれば問題ありません!経験も財産です!